1980年代~1990年代のおすすめ名作映画を、邦画・洋画を問わず紹介。


SF・ファンタジー

◆バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985) ロバート・ゼメキス
 タイムトラベル物の大傑作。「スターウォーズ」以後に起きた世界的SFブームの中、ハリウッドでは数々の大作が作られたが、その中でも断トツの完成度。三部作、全て面白い。ちなみに吹替は三ツ矢雄二版がオススメ。

◆マトリックス(1999) ウォシャウスキー兄弟
 空手シーンのそこはかとないダサさにさえ目を瞑れば、ハードSF作品としていまだに一級品。他、「ガタカ」「エイリアン2」「ブレードランナー」「メン・イン・ブラック」、ファンタジーから「ラビリンス 魔王の迷宮」など。

◆GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995) 押井守
 サイバーパンクSFの傑作。この時期のアニメでは一番見返してる作品かも。他、ジブリ作品全般、「AKIRA」「カウボーイビバップ」「新世紀エヴァンゲリオン」。あとドラマCDになるが「星界の紋章」は尋常でないくらい聞き返してる傑作。




アクション

◆ターミネーター2(1991) ジェームズ・キャメロン
 アーノルド・シュワルツェネッガーの代表作。彼の他の主演作品では「コマンドー」も吹替翻訳が神がかってるために、日本では異様に人気が高い。他、「ダイ・ハード」「インディ・ジョーンズ」「マッドマックス2」「プロジェクトA」など。

◆ザ・ロック(1996) マイケル・ベイ
 個人的には、ショーン・コネリーの最高傑作。敵役の大佐は格好いいし、音楽は盛り上がるし、もう完璧。ただ、濡れ場がわりと濃厚なので、家族で見ると大惨事を引き起こす。何でこれ撮った監督が「トランスフォーマー」なんか撮ってるんだろう。

◆あしたのジョー2(1980) 出崎統
 スポーツアニメの金字塔。1はさすがに総集編である劇場版で見れば良いと思うが、2はなるべくTV版で見て欲しい。原作完結後に作られたため引き延ばしもなく、作画も安定している。他、「北斗の拳」「ドラゴンボール」。




ミステリ・サスペンス

◆ショーシャンクの空に(1994) フランク・ダラボン
 原作のスティーヴン・キングと私はどうも相性が悪いんだけど、これは面白かった。俳優陣は地味だし、話の起伏にも乏しいのに、飽きずに見れちゃうのは脚本が良いからだろう。ラストのカタルシスは見事としか言いようがない。

◆L.A.コンフィデンシャル(1997) カーティス・ハンソン
 50年代のロス市警を舞台に、出世の鬼・エド、暴力警官・バド、賄賂のプロ・ジャック、三者三様の正義の貫き方を描いた傑作サスペンス。エルロイのあのクソ長い原作を、よくぞここまでまとめあげた。吹替も良いし、かなり好きな作品。

◆マルサの女(1987) 伊丹十三
 実写の国内作品としては、頭一つ抜けてる印象。良い役者を揃え、良い脚本を書けば、邦画にもこれだけのものを作れるポテンシャルがある。また、90年代からTVドラマ「古畑任三郎」の2ndシーズンもオススメしたい。




サイコ・サスペンス&ホラー

◆羊たちの沈黙(1991) ジョナサン・デミ
 現代サイコ・サスペンスの礎となった記念碑的作品。多くの作品に影響を与えたが故に古臭くなっている部分はあるが、アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターの強烈なキャラクター性は不滅の魅力を備えている。

◆ファイト・クラブ(1999) デヴィッド・フィンチャー
 フィンチャーは中途半端に社会派ぶった脚本が好きになれないが、面白い映像を撮る監督だと思う。「セブン」も良かった。スパイク・ジョーンズの「マルコヴィッチの穴」も面白かったが、ラストのロリコン丸出しのカメラワークは何なんだ。

◆リング(1998) 中田秀夫
 ホラー映画としては、何だかんだでこれが一番出来が良い気がする。この作品をきっかけに邦画界でホラー映画ブームが起きたが、あまり大した作品は生まれなかった。また、サイコ系では今敏のアニメ「パーフェクトブルー」が秀逸。




クライム・サスペンス

◆パルプ・フィクション(1994) クエンティン・タランティーノ
 映画演出における「お約束」をぶち壊しつつ、ギリギリのラインで成立させるのがこの監督の持ち味だが、好き嫌いは分かれる。私も「クソ面白い」と思うときもあれば、「クソ寒い」と思うときもあり、見るたびに評価に迷う。そんな作品。

◆レオン(1994) リュック・ベッソン
 大人になって見返すとそうでもないが、中高生の頃は大好きだった。似たようなタイプでは「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「トレインスポッティング」あたりも若い子の方が面白いんじゃないかと思う。

◆HANA-BI(1997) 北野武
 北野武は「ソナチネ」と迷うが、あとで作られたこちらの方が完成度は上。ラストもちょっとかぶってるので、なるべくこちらから見た方がいいと思う。ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したことで話題になった。他、「鮫肌男と桃尻女」。




戦争・歴史

◆アマデウス(1984) ミロス・フォアマン
 冒頭でサリエリが「モーツァルトを殺した」と告白するものの、別段サスペンスというわけでもなく、淡々と物語は進んでいく。はっきり言ってあまり面白くないのだが、舞台や衣装に金がかかっており、目と耳に楽しい作品ではある。

◆フルメタル・ジャケット(1987) スタンリー・キューブリック
 毒々しい風刺が光る、これぞキューブリック流反戦映画。前半の新兵訓練パートが全てとも言えるバランスの悪い作品だが、微笑みデブのインパクトが凄まじい。他ではスピルバーグの「プライベート・ライアン」も、冒頭の戦闘シーンが気に入った。

◆銀河英雄伝説(1988) 石黒昇
 アニメとして目を見張る部分があるわけじゃないが、堅実な演出で丁寧に作られた良作。しかし全110話もあるので、原作小説を先に読んでハマったら見れば良いと思う。あとは「機動警察パトレイバー2 the Movie」「火垂るの墓」も定番。




コメディ

◆アダムス・ファミリー(1991) バリー・ソネンフェルド
 ブラックコメディでこれを超える作品はもう出てこないだろう。ちなみに自主規制だと思うが、吹替のガールスカウトのくだりで明らかな誤訳がある。金庫の暗号のところもそうだが、吹替と字幕を比べてみるのも面白い。

◆恋はデジャ・ブ(1993) ハロルド・ライミス
 同じ一日を何度も繰り返すという、ありきたりな設定なのに凄く面白い。ビル・マーレーの演技は見てるだけで楽しくなる。他、「天使にラブ・ソングを…」「ブルース・ブラザーズ」「ミッドナイト・ラン」「トイ・ストーリー」「フルハウス」など。

◆スレイヤーズNEXT(1996) 渡部高志
 大人になってから評価が猛烈に上がった作品。キャスティング含めたバランスが完璧で、何度見ても飽きない。他、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」「無責任艦長タイラー」、実写から「Shall we ダンス?」。




編集後記

 邦画は「つまらない」とよく言われる。

 しかし、こうして並べて見ればトップクラスの作品だけなら互角……いや、市場規模を考えれば、むしろそれ以上に渡り合えている。SFやアクションで実写映画は太刀打ちできてないが、そのぶんアニメがあるわけだし。

 制作費ではハリウッドに敵わないし、俳優が日本人ばかりでは世界で売れない。仮に外国人俳優を使って撮ろうにも、ネイティブでなければ演技の良し悪しは分からない。となると結局、日本人が世界と戦うにはアニメしか選択肢はないのかもしれない。

 まあ、それはいいとして最近、年齢のせいか劇場版はともかくTVアニメを見返すのが辛くなってきた。原作の連載に合わせた引き延ばしもきついし、ガンダム劇場版のように当時の素材を使って再構成できないのだろうか。

 「ドラゴンボール」や「北斗の拳」あたりを劇場版サイズで何作かにまとめてくれたらなぁと、いつも思う。あと、児童向けの良作として「魔神英雄伝ワタル」「カードキャプターさくら」もオススメしたい。